分析手法の研究・開発情報

 下記の通り研究内容を公表。その後、連勝式馬券の過剰投票金額が分析可能な下記ソフトを順次リリース。

●「サルオッズ Special」 2001年
●「Seam(シーム)」 Data Lab対応版 2005年


分析手法開発の最新情報 2001/6/12

 現在研究中の新しい分析手法を紹介します。テーマは馬連の過剰投票を金額的に把握することです。
単勝と複勝の過剰投票に関しては得票率グラフや単指数で概要は分かりますし、サルオッズの金額グラフで金額的にも簡単に把握できますので、分析手法的には完璧といっても良いところまで完成していると考えています。

 一方、馬連などの連勝式馬券の方は、まだまだ不十分です。
連指数などで大まかなことは把握できても、もう一つ実態が掴めません。指数の値で過剰投票を推測できても、投票の実態である金額が不明では確信が持てません。
やはり、馬連などの連勝式馬券も、どの馬からどれだけの金額の投票があったかを知ることが必要です。
もちろん、サルオッズを使えば今でもどの馬からどれだけの金額の投票があったかを知ることできますが、どれ位の過剰投票があったかは判断が難しいのが現状です。

 単勝・複勝の過剰投票は金額グラフで簡単に把握できても、馬連の場合それが難しいことは皆さんも実感していることでしょう。
これは売上金額の多さもありますが、基本的に馬券の性質の違いによるものです。
馬連の場合、単に馬別の合計金額をグラフ化しても過剰投票の実態は掴めません。
どうしても、過剰投票分だけをピックアップしてみることが必要です。

馬連など連勝式馬券の過剰投票分のみを抽出するのは大変難しいのですが、試行錯誤の結果、理論的にはほぼ完成したと言える所まで来ました。
現在、私的に使えるレベルのソフトで検証している段階です。今回はその一端を紹介します。

次のグラフを見てください。



 これは、6月10日(日)の東京11Rエプソムカップのデータです。
馬連の過剰投票分の金額だけをグラフに表したものです。データ取得は発走の12分前、従ってデータの最後の時刻は15時20分となっています。発走が15:35ですから、馬券購入を考えれば通常の使用ではこれより後の取得は時間的に無理があるでしょう。

 さて、このグラフから、4番・2番・14番に大きな過剰投票があることが分かります。
データを持っている方はサルオッズで馬連のグラフを見てください。まったく違うので驚いたと思います。
馬連人気は、下の得票率グラフで分かるように14番−4番―2番の順です。
過剰投票の金額と人気(馬連の得票率)を考えると、2番の過剰投票の度合いが抜けています。

 4番も気にはなりますが、○○カフェはこのような投票が頻繁にあることが経験上分かっておりますし、過剰投票のレベルも下なので、狙うのは2番アドマイヤカイザーとなるでしょう。
ちなみに○○カフェの馬主は馬券が好きなのでしょう。いつも単勝から馬連・ワイドまで大金を注ぎ込んでいます。
いつまで続くか楽しみです。

結果はご承知のとおり、2−3−10と入り、単勝2番 1、200円、馬連2−3 8、380円の波乱となりました。




 現在、過剰投票分の計算は合計金額だけではなく、馬番連勝別の投票金額を出すところまで進んでいます。

下が、そのグラフです。
15:20の投票では3番までしっかり買われています。
2番からは14番に対し、朝から継続して過剰投票がありますが、これは何らかの情報による投票と思われますが、これだけでは強調できません。やはりピンポイント大きな投票があってこそです。



 馬連の過剰投票分の計算をどのようにしているのか興味があると思いますが、検証が進みソフトが完成するまでは発表いたしません。ただ、各馬の基準となる得票率を求めることがポイントだと申し上げれば、概要はお分かり頂けると思います。

 馬連の過剰投票分だけをピックアップすることに熱中するあまり、「新プライマリー」「新エキスパート」の開発が大きく遅れてしまいました。経営的には早く新バージョンを出さなければいけないのですが、気になることがあると目処が立つまで止められない性分なので、いつも予定はあって無いようなものです。この「気性難」のため常に周りに迷惑を掛けてばかりです。

さて最後に、もう一つ面白いレースを紹介します。

次のグラフを見てください。



 これは、エプソムカップの行なわれた6月10日(日)の中京9Rのデータです。
やはり馬連の過剰投票分の金額だけをグラフに表したものです。
データ取得は発走の12分前、従ってデータの最後の時刻は14時20分となっています。(発走は14:35)

 さて、このグラフから、3番・8番・7番・2番に大きな過剰投票があることが分かります。
馬連人気は、下の得票率グラフで分かるように7番−3番―2番−8番の順です。過剰投票の金額と人気(馬連の得票率)を考えると、8番の過剰投票の度合いが抜けています。

 3番は大いに気になりますが、この馬はグリーンチャンネルパドック解説で推奨されました。
傾向と対策でも書きましたが多くの競馬ファンは自信など持ち合わせてはおりません。頼る人が多いのです。
このパドック解説は場内FMでも放送されますから、この程度はどうしても過剰投票になってしまうのです。チリも積もればです。

 もっとも、馬連の得票率と過剰投票のレベルを考えれば、狙うのは8番オリエンタルアートとなるのは明らかですが、もしパドック解説で8番が推奨されていたら・・・。細心の注意が必要です。

さて、結果はご承知のとおり、2−8−6と入り、単勝2番 1、240円、馬連2−8 43、770円の大万馬券となりました。




下が、8番絡みの過剰投票分の馬番連勝別の金額グラフです。
人気の10番・6番に厚めも、2番を含めた人気薄までしっかり買われています。



 今回はここまでにしておきますが、馬連の過剰投票分をピックアップすることの面白さを少しでも実感して頂けたら本望です。

 枠連・馬連・ワイドの過剰投票金額分析ソフトの公開まではしばらく掛かりますが、当社がどのような方向で開発を進めているのかをご理解いただきたく今回の発表となりました。
今後ともご支援ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。  阿部 強